やばい

四階建ての鉄筋コンクリート造のアパートに住まわっているが、この建物はすこし危ない。
入居して暫くしてから玄関の下足入れの上にあるパイプスペースの点検口を開いて見てみると、コンクリートにジャンカがあった。ジャンカとは豆腐を煮すぎて「す」が入ったようになるが、それと似た状態のことで、別名豆板などとも言う。これはコンクリートを打設するときに型枠にコンクリートを流し込むのだけれど、バイブレーターで型枠の隅々にまでコンクリートが行き渡るようにしてなかったためである。
コンクリートはなかなか難しいもので、水が少なければ少ないほどコンクリートの強度は上がるのだが、あまり水分がすくな過ぎると、型枠の隅々まで行き渡らなくなってしまい、柱や梁としての強度が発揮されない。水分を多くして流動性を高めると、型枠の隅々まで行き渡り、綺麗に壁や柱は出来上がるが、コンクリートの強度は落ちる。
コンクリートを型枠の隅々まで行き渡らせるのに、振動を与えて気泡を抜くが、これもやりすぎると、水分と、コンクリート内の砂利や砂が分離してしまい、これまた強度が確保できない。
ここ最近、少し強い地震が何度かあったためか、建物の垂直が狂ってきており、建具の上方が空いて来ている。つまり傾いてきている。そろそろこの建物もやばい。