電車はヨーヨー

通り過ぎる電車と同じ速さで喋る老人の北側を東から眺めて、丁度老人の鼻の辺りに太陽が隠れるようにすると、電車の速度が落ちてきて、それに伴い老人の喋る速度も落ち、駅に付く頃には老人も電車も「ファーン」などと言うので、太陽を隠すのは諦めて、たこ焼きにソースが着いていない部分だけ食べようとしたのだけれど、ソースどころか青海苔も煮干粉もカツヲブシも掛かっていないなんてこの世の終わりだと絶望したのもつかの間、息も尽かさぬ連続攻撃ってことで紐の繋がっていないヨーヨーは一度しか投げられなくて、投げたが最後、飛んでいってしまうなあなどと嘆いたりしなかった。
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