汗かきである。夏でなくても少し動いただけで大量の汗が噴出す。電車などでは、夏ならば汗をかいていて当然なのでかえっていいのだが、春や秋、誰も汗をかいていない中独りで大量の汗をかいていると非常に恥ずかしい。その恥ずかしさで余計に汗が出て、さらに焦る。焦るともう、とめどなく汗が噴出し、ついには噴水のように汗を撒き散らし、最後の一滴まで出し尽くすと、カラカラの抜け殻がふうわりふうわりと、地面にゆれ落ちて行くのである。