嘘話

嘘話すら思いつかず、困り果てた私は、ヘソを噛んで死んでしまおうかと思ったが、どうにもヘソに口が届かない。
悪戦苦闘すること2時間。精根尽き果て、ヘソを噛んで死ぬのは止めて、今度は豆腐の角に頭をぶつけて死んでみようと思った。
早速豆腐を買いに行った。
スーパーには様々な豆腐が並んでいて、どれを買えばいいのか判らず悩んでいると、店員が寄ってきて、これがお薦めですと言った。
なんとなく店員の薦めに応じて買った豆腐。
店員の薦めが本当なのかどうか気になる。ただ単に冷奴で食べるのも芸がない。豆腐田楽などとしゃれ込んでみると、なるほど旨い。
喜び勇んで、また同じ豆腐を買いに行った。