透明人間

去年CSで透明人間の映画を観た。
透明人間になる薬を開発し、その開発リーダーの学者が自ら実験し、悪に走ってしまうのだが、薬ひとつで全身透明になってしまう原理がわからない。
薬で透明になるのだとしたら、血液によって全身の細胞に薬が運ばれて透明になるということだろう。
だとすれば血液で全身に何かを運ぶとすれば、ヘモグロビンと結びつくはずで、赤血球は透明になるが、白血球や血小板は薬とは無関係になってしまう。そうなれば、白血球や血小板が空中を移動していると言うふうに見える。
それに、人体組織に効果があらわれても、胃液や、未消化の食物、糞便などは人体組織ではないので見えてしまうはずである。そうなると食物や便が、胃や腸の形で見えるという、とてもグロテスクな結果となる。
それともし、透明になれたとしても、ガラスを思い浮かべれば判るが、透明であっても質感というものがある。透明な人体がガラスのような質感であれば、光沢があり光を反射して人体自体は認識されてしまう。
もし映画で描かれているような誰からも気づかれないような透明になろうとすれば、はっきり言って気体でないと無理である。人体組織を構成する分子が気体である人間をはたして人間と呼べるのだろうか?気体のままで服を着たり、物を持ったりしようとすれば、その気体の圧力が常に一定に保たれていないといけない。どういう原理でそんなことができるのかちょっと考えつかない。