風邪をひき咳がひどい。
風邪のウイルスと戦った白血球の死骸などが排泄されるためなのだが、咳をするたびに喉が酷く痛む。
のど飴を舐めても収まらず、咳止め薬も効かない。
激しく風邪のウイルスを撒き散らしていることを思うと、回りの人に申し訳なく思いマスクをしている。
しかし咳はどんどん酷くなり、回数、激しさも増し、マスクさえ吹き飛ばす勢いだ。
あまりの激しさに喉から出血したのだろう、痰に血が混ざり始めた。
咳の勢いというのは大変なもので、全身の筋肉にかなりの負荷かかり、激しく体力を消耗する。
ついに肋骨が折れたようだ。
咳の勢いで頭が後ろに倒れる。その激しさにめまいがし、後ろへ転倒してしまった。
それでも咳は収まらず、仰向けのまま咳をするものだから、地面にめり込んだ。
どうしよう、このままでは地球の裏側にまで行ってしまう・・・。
何とか咳を止めようと口を閉じたまま咳をすると、前歯と唇が吹き飛ばされ、口は常に空いた状態に・・・。
すると咳は、バスッ、バスッと、抵抗無く噴出すようになり、地面にめり込むのは止まった。