大人の実態2

狭い道を向こうから二人のサラリーマンが歩いてくる。
年のころは60過ぎといったところ。白髪交じりの会社役員風の二人。
しかし横に並んで歩いているので完全に道を塞いでいる。
私が彼らの前から向かって行っているというのに全く道を空けない。
一人と目が合ったにも関わらず道を空けない。
会社では偉いのかも知れないが、世界中の何処へ行っても偉いわけではない。
アフリカの砂漠にでも放り出されれば、力のないただの老人。
老いると動きづらくなり、歩くのにも時間がかかるのは重々承知のうえだ。
そんなことを責める気はない。私もいずれ老い、邪険にされる身であるから。
しかし、見るからにまだまだ矍鑠としていて、楽しげに談笑しながら並んで歩いている姿は、この世で自分達が一番偉いと勘違いし、道を譲るなどと言うことは梅雨ほども考えていない様子。
道一杯におしゃべりしながらだらだら歩く高校生と何が違う?