日本一辛い店

「日本一辛い」と謳っているラーメン屋に入った。
店内にはカウンター席しかなく、しかも椅子がない。
なるほど立ち食いなのかと思い、カウンターに近づくとやけにカウンターが低い。
膝を曲げないといい高さにならない。
我慢してラーメンを注文すると待っている間に出されたのが熱々のギー茶であった。
ギー茶というのはチベットあたりで飲まれているお茶で、お茶にヤギのバター(ギー)を溶かし、塩を入れたものである。チベットには海がないため、塩分を補給で、岩塩を大量に入れかなり塩辛くする。
口も付けずにおいておいた。
するとようやく日本一辛いと言うラーメンの登場。
妙なラーメンだった。スープがまるでなく、茶色の粉がまぶしてある。
すすってみると茶色い粉はスープを粉末にしたもので、味が濃い上にモソモソ、パサパサする。口の中の唾液がすべて吸い取られ飲み下せない。
あわててお茶を飲むが、熱い上に塩辛い。
「日本一からい店」ではなく「日本一つらい店」だった。